展示は、時系列あるいは絵師ごとにカテゴライズしたほうがわかりやすかったと思う。出品作品数が少ないうえに、同じ絵師の品があっちにあったりこっちにあったりして、なんだか散漫な印象を受けた。で、北斎だけちょっと異質なもんだから目立っちゃう。
会場はなにしろ年寄りが多くて、シップ薬のかほりがほのかに漂う展覧会となった。まあそれはいいとしても、こういう展覧会をあまり観ない人が多いのだろう、堂々と絵を撮影して係員に注意され不満気にデジカメをしまう爺様や、場内のソファに腰かけペットボトルのお茶を飲もうとして係員に注意され恥ずかしそうにお茶をしまう婆様などがいたりして、やはり江戸東京博物館じゃこんなもんかなと思ったしだい。だってみんな(もちろん全員ではないけど)絵が見たくて来てるんじゃなくて、東京見物のついでに寄ってるだけなんだもの。いくら名品そろえたって、これじゃあもったいない。ウィーン・フィルとか呼んどいて、居酒屋で演奏させてるようなもんじゃないのか。
もともとあまり期待していなかっただけに「まあこんなもんかな」という感想。北斎は評判どおりで、豊国の歌右衛門と歌麿の2枚を見られたのが収穫だった。にしても1,300円は高すぎ。
絵はがきを4枚買って会場を後にした。もう会期終盤のせいか、チラシがなかったのが悲しかった。(江戸東京博物館・2006年12月7日観覧)