「花鳥画の煌き」と「アメリカ近代写真のパイオニア」
2006-03-29


(原題:Clearing Winter Storm)の迫力が凄かった。これまたデカいプリントがあった。実際に山を歩いていると、ごくまれに、こんなふうに雲が晴れる劇的な瞬間に出会うことがある。こういうときの雲は驚くほどのスピードで晴れていくのだが、よくぞカメラに収めたものだ。撮影に関して本人のコメントがあって、それを読むとまた臨場感が増して興味深い。
ここがお決まりの撮影場所らしいが、この構図もまるで造ったようにキマっている。右手に滝があるところなんか出来すぎだ。

マッキンリー(原題:Mt. McKinley and Wonder Lake)は、白がきれいだ。雪山を撮ると白が光りすぎてとても難しいが、これはその現象を逆手にとっているようだ。山襞もくっきりとしてきれいで、マッキンリーの雄大さが増しているように思う。下にでっかく湖面を入れて、画面を2分割するような構図なのも自分のツボにくる。

ハコヤナギ(原題:Aspens, New Mexico(V))。とても有名な写真らしい。この構図とコントラストが絶妙だ。広重の浮世絵とかにありそうな感じ。これにも本人のコメントがあって、たまたま木の前を通りかかったときにピンときて撮影した、というようなことが書いてあった。一期一会、というところだろうか。

ほかに、自分の大好きな山のひとつである黒部五郎岳にそっくりな形の山の写真があったのだが、題名を忘れてしまった。これがえらく気に入ったので、非常に残念だ。花鳥画同様、こちらにも展示作品一覧表はなかった(たぶん)。
ミュージアム・ショップにはアンセル・アダムズの写真集が売っていた。何種類かあり、高いものは1万円近いお値段。とても欲しかったが、気に入った写真がすべて入っているものがない。ネットでじっくり探して通販で買ったほうがいいんじゃないかと思い直して、ハーフ・ドームとマッキンリーのハガキだけを買って美術館をあとにした。

さて、帰宅後にアンセル・アダムズについてネットで調べてみた。"The Ansel Adams Gallery" で写真がたくさん見られる。おお、冬の嵐もマッキンリーもみんなある。でもあのアメリカ版黒部五郎が見当たらない。
え、なんと1枚20ドルで買えるんですか。ほう、アメリカ国外にも発送可能とな。・・・
(名古屋ボストン美術館・2006年3月21日)


戻る
[美術]

コメント(全0件)


記事を書く
powered by ASAHIネット