ダ・ヴィンチ・コード(角川文庫)
2006-05-19


でもまあそんなこんなを補ってあまりあるくらい面白かった。こういう話は終わらせ方が難しいと思うが、意外にもほんわかした結末なのも良かった。黒幕が去ってから残り50ページもあるから、いったいどうするんだろうと思ったのだ。「ロスリン」にも二重の意味を持たせるとは、凄い徹底ぶりだと思った。

読後感は上々だ。訳文もよくこなれていて読みやすくてよかった。ただ、フランス語の台詞がカタカナになっていたのはちょっと読みにくく感じた。仏文のままでルビをふった方がいいと思った。
活字が大きい薄い本が3冊なので、すぐに読めるのもいい。字を少し小さくして1冊の分量を厚くすれば上下2冊でイケそうな気もするが、3冊にしたのは角川の戦略に違いない。
なお、文庫本の裏表紙の内容紹介は事前には読まない方がよい。自分は読みはじめる前にうっかり上巻のものを読んでしまったのだが、かなり先のことまで書いてあった。もし中・下巻のを見てしまった日には目も当てられない。角川書店の公式サイトのフォトギャラリーもまたしかりだが、この写真で現場の情景がようやくわかった気がしたので、もう一度読みかえそうと思っている。

(ダン・ブラウン著(2003年)、越前敏弥訳(平成18年←3月10日初版で5月5日にもう第7版とは))(2006年5月18日読了)

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