読後感は上々だ。訳文もよくこなれていて読みやすくてよかった。ただ、フランス語の台詞がカタカナになっていたのはちょっと読みにくく感じた。仏文のままでルビをふった方がいいと思った。
活字が大きい薄い本が3冊なので、すぐに読めるのもいい。字を少し小さくして1冊の分量を厚くすれば上下2冊でイケそうな気もするが、3冊にしたのは角川の戦略に違いない。
なお、文庫本の裏表紙の内容紹介は事前には読まない方がよい。自分は読みはじめる前にうっかり上巻のものを読んでしまったのだが、かなり先のことまで書いてあった。もし中・下巻のを見てしまった日には目も当てられない。角川書店の公式サイトのフォトギャラリーもまたしかりだが、この写真で現場の情景がようやくわかった気がしたので、もう一度読みかえそうと思っている。