4月28日、小布施町の隣の信州高山村で桜めぐりハイキングをすることになったが、天気予報が雨になってしまったのでハイキングを一日延期してこの日を小布施観光にあてることにした。
お目当ては、北斎が描いた岩松院の天井絵「八方睨み鳳凰図」である。天井絵は常識的に考えて持ち出すことは不可能なので、現地に行かないと見られない。実は本題のハイキングよりもこっちのほうが楽しみなのである。
朝一番の新幹線あさまで長野へ。長野電鉄に乗り換えて小布施駅に降り立ったのは8:40ごろだった。午前中は曇りで午後から雨の予報だったが、もうすでに降っていて気分が萎える。
岩松院の拝観は朝9時に始まるので、今から歩いていけばちょうどいいだろう。観光地をつないだ循環バスもあるようだが、始発は9:57でまだ1時間以上先だ。駅に置いてあった「信州おぶせマップ」なる観光絵地図をゲットし、小降りになったのを見計らって歩きだした。
寺へは駅前を左に出て道なりに行くだけ。道中にはぽつりぽつりと案内板もあるが、曲がらないので迷いようがない。30分もかからずに岩松院に到着した。途中で雨もあがってしまった。門前には桜の木がたくさんあったがほとんど散っていた。
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まだ朝早いためか境内は閑散としていた。拝観料を払いどきどきしながら本堂内へ進む。見上げると、凄まじい迫力で睨み付ける鳳凰がいた。極彩色といっていいのだろうが、赤が少なめなのと、青が深いせいか、決して派手ではなく不思議な落ち着きを感じる。150年前に描かれたまま、補色などはしていないという。トサカのあたりのごつごつが、油絵で特殊なマチエルを使ったときのようにちゃんと3Dになっている。寺のサイトの説明では「独特の技法で仕上げた」とあるが、どんな技法なんだろう?
30分も見上げていたらすっかり首が痛くなってしまった。
続いては隣の浄光寺へ。岩松院からは歩いて5分程度で、その道は遊歩道として整備されている。花桃が満開だった。
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ここに寄ったのは駅前の観光案内を見て、薬師堂が国の重要文化財に指定されているというのを知ったから。門からお堂までは雰囲気のある緩やかな石段が続いていたが、市民サークルなのか教室なのか、ビデオカメラをかついだ人たちが跋扈していてちょっと興醒め。ちょうど日が差してきて、先ほどまでの雨を吸ったちょっと朽ちかけた茅葺の屋根からは水蒸気がもうもうとあがっていた。
1/25000地図を見ながら小布施ワイナリーへ。ここも北斎の天井絵とともに楽しみにしていたところ。浄光寺からは30分くらいかかった。
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小布施ワイナリーは最近メディアで取り上げられることが多い。が、実物にはあまりお目にかかったことがない。ドメーヌ・ソガシリーズのシャルドネを一度飲んだことがあるだけだ。