鳥獣人物戯画は、前年の京都展のとき、京都に行って見ようかと思っていたところ、上野にも来るというので思いとどまった経緯がある。しかし京都での大混雑を知り、そんなんなら行かなくていいや、というヌルい考えでいた。
ところが、鳥獣人物戯画とは関係ないところで、東博本館の新指定国宝・重文展示に病草紙がお目見えという。
自分は美術好きではあるが、画集はたった4冊しか持っていない。で、そのうち2冊が日本の絵巻シリーズ「鳥獣人物戯画」と「餓鬼草紙・地獄草紙・病草紙・九相詩絵巻」である。つまり、東博で、この2つが同時に見られるということなのだ。なんか、見に行くほうがいいような気がしてきた。
(ちなみに、残りの2冊の画集はマグリットとブリューゲルで、2015年5月は、なんとこの4冊すべての絵が東京で展示されるという、個人的には惑星直列なみの巡りあわせの月なのである)
しかも、よくよく調べたら、鳥獣人物戯画については、前期だけだけど、断簡が勢揃いするという話。どうやらアメリカに渡ったものも里帰りするという。これってすっごいチャンスなのでは。
特に相棒は鳥獣人物戯画を見る気満々で、金曜の夜間開館を狙えばいいんじゃないかという話になり、仕事を早退けして上野に行くこととなった。
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東博入館は17時半頃。会場の平成館への入場制限はなかった。半券を提示すれば再入場は可能というので、とりあえず鳥獣戯画展に入場。いつもは2階の南側のホールにある展覧会グッズ売り場は1階に置き、替わりに内臓のようにぐねぐねとした甲巻待ちの行列ができていた。
甲巻は120分、丁丙乙巻(ヘンテコだがこの順序に並んでいる)は30分の待ち列となっていたので、列のないものから見ることにした。やや遅れて相棒が到着した。華厳宗祖師絵伝といった国宝もあるが、鳥獣戯画の行列を考えると、なんか気が散ってしまう。